【ネタバレ注意】「響け!ユーフォニアム 第二楽章 後編」の感想など その1
3つめの記事になります。
すっかり本業のボカロPとしての活動が鳴りを潜めてる無味Pです。
今回は、10/5に刊行された小説版の新刊
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編」
を読んで、気付いた事などをネタバレガッツリ込みで書かせて頂こうと思います。
前編の方も感想などを書き綴ったりしてますので、
お時間ある方は是非。
で、後編の感想も長くなるので2つに分けようと思います。
以下ネタバレです!
滝先生が北宇治に赴任して1年以上経って、Aに入れなかった云々で部活運営に支障をきたすような言動を行うようなメンタリティの部員が居なくなったという考え方もできますが、そうは言ってもまだ高校生ですから、全くの凪という事は無いと思うんです。
で、作中で優子部長は部員のメンタルや融和を優先した部活運営をしてたと言っているので、ボーンパートで大きな騒動が起きなかったのは、優子部長のアフターフォローが完璧だったと言う事かなと思います。
加えて、加部先輩の存在も大きかったかなと。どんなに聖人君子な副部長でも、どんなに可愛い後輩でも、夏紀先輩やAに入ったボーンの後輩からフォローを受けたら「この人たちはAに入れたのに自分は入れない」という負い目は完全に拭う事は出来ない。その点、加部先輩は「持病によりオーディションすら受けれずに奏者を辞めた」という立場なので、最後の大会にAで出れない部員をフォローするには最適の人材です。そして恐らくその役割を与えたのは優子部長でしょう。加部先輩も、言われなくてもフォローに回ったでしょうが、優子部長から明確に依頼されるのとされないのでは、加部先輩・ボーンの3年生双方のモチベーションが全く違います。優子部長がこの辺をおざなりにするとは思えない。
なので、物語で表れない事は、「起こらなかった事」「主人公の目に入らなかった事」の他に「誰かの頑張りで起こらずに済んだ事」も含まれるのかもしれないなと思いました。優子部長や加部先輩などの尽力によって、ボーンパートの平穏は保たれた。結果、物語上では全く触れられない(そもそも起こってないから触れる事ができない)。この、「起こらずに済んだ事」は「起こった事を収めた事」より評価が難しいですが、もしこの仮説が本当であるならば、自分は優子部長と加部先輩を大いに評価したいです。勿論、「起こさなかった」ボーンの3年生も含めて。
武田先生は、昨年のコンクールで北宇治が全国に行った陰に秀大付属のあかりちゃんのエピソードを入れる事によって、各学校毎に個別の事情があってドラマがあるんだという事を表現されました。今年は北宇治が全国行きを逃した横でこのあかりちゃんの一文を添える事によって、去年と対になった出来事をより浮き彫りにしようとしたんだと思います。
何より、あかりちゃんが音楽を辞めずに続けていた事が嬉しかったです。どうしても結果が求められてしまう強豪校で、去年自分のミスで全国大会出場を逃した(と推測される)過去を乗り越え、全国大会の切符を取り返した事で、彼女の心の傷のうちいくらかは緩和されたんじゃないかと思います。今後も彼女の音楽人生が豊かなものである事を願わずにはいられません。
立場的には、希美先輩が梓側で、みぞれ先輩があみか側なんですが、梓・あみかと決定的に違うのが希美先輩よりみぞれ先輩の方が圧倒的に技量や音楽センスが上という事で、その場合梓・あみかの関係とどういう差異が出るかというのを書かれたのかなと思いました。
読めば読むほど、希美先輩もみぞれ先輩にしても、高3にしては余りにも精神が幼い、思慮が足りないんです。希美先輩の深層意識にある感情は非常に子供じみてるし、みぞれ先輩も「希美が言ったから」の1点張りばかり。志望校すら「希美が行くって言ったから」。その志望校に希美先輩が入らなかったら、どちらかが入試で落ちたら、なんていう当然の事すら思いつきもしない。
そんな2人が、この数か月で突然圧倒的な精神的成長を遂げるのは現実離れし過ぎてしまう。なので、後編でどういう決着を見るのかちょっと予想できなかったんです。
なので、この決着の付き方は非常にリアル。めちゃくちゃ上手な落とし方だなと思いました。武田先生は、このシリーズを「出来る限りリアルに作りたかった」と仰っていて、その方針を貫かれた結果なのでしょう。
希美先輩は、自身の中にある醜い感情に、後輩に吐露するという形で真摯に向き合い、きっちり割り切って演奏に集中する。みぞれ先輩は「希美が私にくれたものだから」と言って、"希美先輩の居ない"音楽への道を進む決意をする。
2人は、圧倒的でないにせよ、精神的成長のきっかけを確かに得ました。2人はとにかく根っこが善人なので(というか、この作品に於いて根っこが悪人が皆無)、
大学に入っても、自分のペースでいいから、少しずつ成長していく事を願います。
ですからね。
チューバ3本ユーフォ2本もあるので、金管8重奏を組んでもバリチューが組めます。羨ましい!特に自分は現役時代に2回金8でチューバで出て、その時の曲が、1年の時が「『三匹の猫』よりミスター・ジャムス、バーリッジ」。2年の時が「『スザート組曲』よりモール人の踊り、4つのブラジル、パヴァーヌ」だったので(当時のアンコンのパンフレット見て確認しましたww)、この曲が出てきたら泣いて喜びます。その他「ニューヨークのロンドンっ子」「高貴なる葡萄酒を讃えて」「ロンドンの小景」「もう1匹の猫・クラーケン」辺りが好きなので、出てきたら嬉しいなと思います。
あと、弦バス2本はどうするんでしょうか。うちの学校はクラに入れてクラ4弦バス1の編成でやってましたが、そうやって組んでも求君が余ってしまう。滝先生がどうやって編成組むのかとても楽しみです。・・・さすがにここまで来て「アンコン編無し」って事はないですよね・・・?
あと、京都は各学校で1団体しか出れないんですね。宮城は、地区大会が細かく分かれてる分、どの学校が何団体出してもOKというルールだったので新鮮でした。その代わり、全員参加になるので、どんなに無様な出来でも公衆の面前に晒されるという地獄もあったりしますが。
実は個人的にアンコンは結構なトラウマがあって、もう2度とアンコンには出たいとは思わないんですが(それは"その2"で少し触れます)、曲そのものは、普通の吹奏楽曲よりアンサンブル(サックス・クラ・パーカス等他の楽器も)の方が好きな曲が多いので、どんな曲が出てくるのか楽しみにしておきます。
後半で、過去の失敗によるトラウマから、自身の卑屈な性格と相まって「目立つことによって負わされる責任と、失敗した時の周りの評価が怖い」から苦手なんだという事が判明します。
自分も気持ち分かるんです。それプラス自分はあがり症なので、どうしても目立つのは無理なんです。だからチューバやバスクラを吹いています。
吹奏楽に於いては、目立つ楽器と地味な楽器がありますが、それは楽器の重要度と相関がありません。ソロの時後ろで伴奏する低音楽器は、ソロ奏者とはまた別種類のプレッシャーがあるし、やりがいもあります。
本質的に目立つのが苦手ならば、そもそもトランペットを選ばないと思うのです。編成の都合で已む無く担当になったんでなければ。吹奏楽において、地味な楽器であるユーフォ・チューバ・バスクラが、どれだけ重要な役割を持っているかは、吹部出身者は分かって下さると思います。でも、夢はトランペットを選んだ。高校でも憧れの先輩が居るとはいえ担当楽器を変えなかった。彼女は根っからの「目立つのが苦手」人間ではないんだなと思います。
加部先輩からの激励によって、乗り越える切っ掛けを得た夢は、麗奈ほどとは言いませんが、今後の心配はほぼないでしょう。
「あー、これは別れる流れだ・・・。嫌だ。辛い。見たくない」
と思いながらずっと読んでました。
形式上別れる事にはなりましたが、お互いがお互いを大事に思っている事がヒシヒシと伝わってくるので、自分は心配してません。秀一は部活引退後、必ず久美子に再び髪飾りを渡すと信じています。そして久美子もそれを受け取ると信じています。
ほんと、秀一どんだけ器でかいんだよ。お前カッコいいよ。副部長として久美子を精一杯支えるんだぞ!俺はお前を信じてるからな!
久美子!秀一は久美子の気持ちをちゃんと理解して待っててくれてるんだからな!秀一をガッカリさせるような事はしたら絶対ダメだぞ!久美子の旦那は秀一しか居ないぞ!
「うおお!原作でも超見たい!続編でこんな場面ある事を切に願う!」
とか思ってたんです。
そしたら、合宿のスイカ割り大会の裏で!まさにそんなシーンがありました!武田先生本当にありがとうございます!
いや、正直このシチュエーションはベタですよ。でも、それがなぜベタかと言えば、みんな見たいからでしょ!?みんな見たいから使い古されるんでしょ!?それに、どんなに使い古されようが、そのシチュエーションを使う物語や当てはめる人物が変わった途端に「誰も見た事が無いシーン」になるんです!
どんなにベタだろうが、自分はなかよし川でこのシーンが見たかった!武田先生はそれを見せてくれた!それ以外にも、物語の随所に現れるなかよし川のシーンが、どれもこれもなかよし川ファンにはたまらないものばかりでした。武田先生に圧倒的感謝!
久美子は、滝先生が離任する時の状況や、滝先生のお父さんが離任した当時の状況を想い唇を噛みしめます。
現実的に、産休の欠員で転任したとはいえ、部活動で圧倒的な結果を残した先生を、僅か2年で転出させるとは思えません。ただ、滝先生の前に吹奏楽部の顧問だった梨香子先生が産休から戻ってきた場合、ずっと前から北宇治に居る松本先生の方は転任する可能性は結構あります。3年生編では、松本先生が転出し、梨香子先生が産休から戻ってきて副顧問に就任。滝先生とソリが合わずに問題が表面化して・・・、なんて事が起こる可能性もあるかなぁなんて思ってます。久美子3年生編ではどうなるでしょうか。
去年は全国銅、今年は関西カラ金という事で、来年も優秀な後輩は入ってくるのは間違いありません。もちろん、W鈴木もどんどん技量を上げていくでしょう。果たして葉月は最後のコンクールでA編成入り出来るでしょうか。この辺も大きな見どころになるかなと思います。
ルパンはどのバージョンをやったのか分かりませんが、もしニューサウンズのジャスアレンジだとしたら、低音の皆さん本当にお疲れ様でした。僕はもう吹きたくありません。
スパニッシュ・フィーバーは、多分麗奈の一押しで曲が決まったんだろうなと容易に推察されます。聞いた事が無い方は、ぜひ検索してみて下さい。その意味が分かると思います。
故郷の空 in swingは、自分も昔チューバソロを吹きました。チューバは脇役に徹してこそその魅力が最大化するという、自分なりのチューバ観というか矜持があるので、凄く嫌だった思い出があります。ただ、後藤先輩がこのソロをどういう風に吹くのかは興味ありますww
強豪校の先生を退職して、無名だった私立高校に赴任して一気に全国大会まで導くという点は、福岡の精華女子から長崎の活水に移って全国大会に出場した藤重先生の要素も入ってますね。活水は去年・今年と九州カラ金でしたが…。
北宇治はマーチングを活動の軸にはしていないので、恐らくはドラムメジャーだけではく、生徒指揮(地域によっては学生指揮と言ったりする)の役割もやるんでしょう。むしろ北宇治は今まで、部長(あるいは副部長)が、合奏の指示もやっていたのが違和感がありました。というか、それでは幹部に負担が掛かるのは当然ですね。優子先輩の代では、人数が少ない分みんなでカバーしようという方針だったみたいですが、それでも加部先輩がマネージャー職に専念してもらっててもなお、幹部の二人は大変そうでしたし。
うちの高校では、部長・副部長・生徒指揮が「幹部3役」として部活運営に当たっていたので、自分の中でふっと腑に落ちた感じがしました。麗奈の指揮、滝先生以上に厳しそう…。
関西大会止まりは、まぁ予想の範囲内ですが、武田先生の事なので、滝先生が当日に急病で倒れたとか、希美先輩が大会直前に交通事故で怪我をしたとか、夏紀先輩が演奏の致命的なミスを犯してしまったとか、あり得るだろうと思ってヒヤヒヤしてたので、一先ずは無事に関西大会を終えてくれて何よりでした。
まぁ、怪我に関しては、立華編の未来先輩の一件があるから可能性は低かったですが。
"その2”では、特に後半を読んでて自分が強く感じた
「コンクールとは何か」
「コンクールで良い賞を取るという事は何か」
みたいな観点で感想を綴りたいと思います。
この点について語りたい事が山ほどあります。
では、その2に続きます。
すっかり本業のボカロPとしての活動が鳴りを潜めてる無味Pです。
今回は、10/5に刊行された小説版の新刊
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部、波乱の第二楽章 後編」
を読んで、気付いた事などをネタバレガッツリ込みで書かせて頂こうと思います。
前編の方も感想などを書き綴ったりしてますので、
お時間ある方は是非。
で、後編の感想も長くなるので2つに分けようと思います。
以下ネタバレです!
- 唯一の3年生がA編成に入れなかったトロンボーンパートが騒動にならなかったのは、優子部長と加部先輩の尽力があったから?
滝先生が北宇治に赴任して1年以上経って、Aに入れなかった云々で部活運営に支障をきたすような言動を行うようなメンタリティの部員が居なくなったという考え方もできますが、そうは言ってもまだ高校生ですから、全くの凪という事は無いと思うんです。
で、作中で優子部長は部員のメンタルや融和を優先した部活運営をしてたと言っているので、ボーンパートで大きな騒動が起きなかったのは、優子部長のアフターフォローが完璧だったと言う事かなと思います。
加えて、加部先輩の存在も大きかったかなと。どんなに聖人君子な副部長でも、どんなに可愛い後輩でも、夏紀先輩やAに入ったボーンの後輩からフォローを受けたら「この人たちはAに入れたのに自分は入れない」という負い目は完全に拭う事は出来ない。その点、加部先輩は「持病によりオーディションすら受けれずに奏者を辞めた」という立場なので、最後の大会にAで出れない部員をフォローするには最適の人材です。そして恐らくその役割を与えたのは優子部長でしょう。加部先輩も、言われなくてもフォローに回ったでしょうが、優子部長から明確に依頼されるのとされないのでは、加部先輩・ボーンの3年生双方のモチベーションが全く違います。優子部長がこの辺をおざなりにするとは思えない。
なので、物語で表れない事は、「起こらなかった事」「主人公の目に入らなかった事」の他に「誰かの頑張りで起こらずに済んだ事」も含まれるのかもしれないなと思いました。優子部長や加部先輩などの尽力によって、ボーンパートの平穏は保たれた。結果、物語上では全く触れられない(そもそも起こってないから触れる事ができない)。この、「起こらずに済んだ事」は「起こった事を収めた事」より評価が難しいですが、もしこの仮説が本当であるならば、自分は優子部長と加部先輩を大いに評価したいです。勿論、「起こさなかった」ボーンの3年生も含めて。
- 秀大付属のあかりちゃんが、吹奏楽を続けててくれて本当に良かった
武田先生は、昨年のコンクールで北宇治が全国に行った陰に秀大付属のあかりちゃんのエピソードを入れる事によって、各学校毎に個別の事情があってドラマがあるんだという事を表現されました。今年は北宇治が全国行きを逃した横でこのあかりちゃんの一文を添える事によって、去年と対になった出来事をより浮き彫りにしようとしたんだと思います。
何より、あかりちゃんが音楽を辞めずに続けていた事が嬉しかったです。どうしても結果が求められてしまう強豪校で、去年自分のミスで全国大会出場を逃した(と推測される)過去を乗り越え、全国大会の切符を取り返した事で、彼女の心の傷のうちいくらかは緩和されたんじゃないかと思います。今後も彼女の音楽人生が豊かなものである事を願わずにはいられません。
- 希美先輩とみぞれ先輩の関係は、梓とあみかの関係に共通項を感じる
立場的には、希美先輩が梓側で、みぞれ先輩があみか側なんですが、梓・あみかと決定的に違うのが希美先輩よりみぞれ先輩の方が圧倒的に技量や音楽センスが上という事で、その場合梓・あみかの関係とどういう差異が出るかというのを書かれたのかなと思いました。
読めば読むほど、希美先輩もみぞれ先輩にしても、高3にしては余りにも精神が幼い、思慮が足りないんです。希美先輩の深層意識にある感情は非常に子供じみてるし、みぞれ先輩も「希美が言ったから」の1点張りばかり。志望校すら「希美が行くって言ったから」。その志望校に希美先輩が入らなかったら、どちらかが入試で落ちたら、なんていう当然の事すら思いつきもしない。
そんな2人が、この数か月で突然圧倒的な精神的成長を遂げるのは現実離れし過ぎてしまう。なので、後編でどういう決着を見るのかちょっと予想できなかったんです。
なので、この決着の付き方は非常にリアル。めちゃくちゃ上手な落とし方だなと思いました。武田先生は、このシリーズを「出来る限りリアルに作りたかった」と仰っていて、その方針を貫かれた結果なのでしょう。
希美先輩は、自身の中にある醜い感情に、後輩に吐露するという形で真摯に向き合い、きっちり割り切って演奏に集中する。みぞれ先輩は「希美が私にくれたものだから」と言って、"希美先輩の居ない"音楽への道を進む決意をする。
2人は、圧倒的でないにせよ、精神的成長のきっかけを確かに得ました。2人はとにかく根っこが善人なので(というか、この作品に於いて根っこが悪人が皆無)、
大学に入っても、自分のペースでいいから、少しずつ成長していく事を願います。
「無理やりは長持ちしない。いきなり壊れる」
ですからね。
- 熱望した北宇治アンコン編が見れるかもしれなくてガッツポーズ
チューバ3本ユーフォ2本もあるので、金管8重奏を組んでもバリチューが組めます。羨ましい!特に自分は現役時代に2回金8でチューバで出て、その時の曲が、1年の時が「『三匹の猫』よりミスター・ジャムス、バーリッジ」。2年の時が「『スザート組曲』よりモール人の踊り、4つのブラジル、パヴァーヌ」だったので(当時のアンコンのパンフレット見て確認しましたww)、この曲が出てきたら泣いて喜びます。その他「ニューヨークのロンドンっ子」「高貴なる葡萄酒を讃えて」「ロンドンの小景」「もう1匹の猫・クラーケン」辺りが好きなので、出てきたら嬉しいなと思います。
あと、弦バス2本はどうするんでしょうか。うちの学校はクラに入れてクラ4弦バス1の編成でやってましたが、そうやって組んでも求君が余ってしまう。滝先生がどうやって編成組むのかとても楽しみです。・・・さすがにここまで来て「アンコン編無し」って事はないですよね・・・?
あと、京都は各学校で1団体しか出れないんですね。宮城は、地区大会が細かく分かれてる分、どの学校が何団体出してもOKというルールだったので新鮮でした。その代わり、全員参加になるので、どんなに無様な出来でも公衆の面前に晒されるという地獄もあったりしますが。
実は個人的にアンコンは結構なトラウマがあって、もう2度とアンコンには出たいとは思わないんですが(それは"その2"で少し触れます)、曲そのものは、普通の吹奏楽曲よりアンサンブル(サックス・クラ・パーカス等他の楽器も)の方が好きな曲が多いので、どんな曲が出てくるのか楽しみにしておきます。
- 目立つの苦手なのにペットを吹いてる夢は、そもそも「目立つ事」自体が苦手なのではないようだ
後半で、過去の失敗によるトラウマから、自身の卑屈な性格と相まって「目立つことによって負わされる責任と、失敗した時の周りの評価が怖い」から苦手なんだという事が判明します。
自分も気持ち分かるんです。それプラス自分はあがり症なので、どうしても目立つのは無理なんです。だからチューバやバスクラを吹いています。
吹奏楽に於いては、目立つ楽器と地味な楽器がありますが、それは楽器の重要度と相関がありません。ソロの時後ろで伴奏する低音楽器は、ソロ奏者とはまた別種類のプレッシャーがあるし、やりがいもあります。
本質的に目立つのが苦手ならば、そもそもトランペットを選ばないと思うのです。編成の都合で已む無く担当になったんでなければ。吹奏楽において、地味な楽器であるユーフォ・チューバ・バスクラが、どれだけ重要な役割を持っているかは、吹部出身者は分かって下さると思います。でも、夢はトランペットを選んだ。高校でも憧れの先輩が居るとはいえ担当楽器を変えなかった。彼女は根っからの「目立つのが苦手」人間ではないんだなと思います。
加部先輩からの激励によって、乗り越える切っ掛けを得た夢は、麗奈ほどとは言いませんが、今後の心配はほぼないでしょう。
- 秀一と久美子が別れる空気があったので、あの結末で心からホッとした
「あー、これは別れる流れだ・・・。嫌だ。辛い。見たくない」
と思いながらずっと読んでました。
形式上別れる事にはなりましたが、お互いがお互いを大事に思っている事がヒシヒシと伝わってくるので、自分は心配してません。秀一は部活引退後、必ず久美子に再び髪飾りを渡すと信じています。そして久美子もそれを受け取ると信じています。
ほんと、秀一どんだけ器でかいんだよ。お前カッコいいよ。副部長として久美子を精一杯支えるんだぞ!俺はお前を信じてるからな!
久美子!秀一は久美子の気持ちをちゃんと理解して待っててくれてるんだからな!秀一をガッカリさせるような事はしたら絶対ダメだぞ!久美子の旦那は秀一しか居ないぞ!
- なかよし川はどの場面も尊いが、合宿でのあの場面が、ベタだからこそ至高
「うおお!原作でも超見たい!続編でこんな場面ある事を切に願う!」
とか思ってたんです。
そしたら、合宿のスイカ割り大会の裏で!まさにそんなシーンがありました!武田先生本当にありがとうございます!
いや、正直このシチュエーションはベタですよ。でも、それがなぜベタかと言えば、みんな見たいからでしょ!?みんな見たいから使い古されるんでしょ!?それに、どんなに使い古されようが、そのシチュエーションを使う物語や当てはめる人物が変わった途端に「誰も見た事が無いシーン」になるんです!
どんなにベタだろうが、自分はなかよし川でこのシーンが見たかった!武田先生はそれを見せてくれた!それ以外にも、物語の随所に現れるなかよし川のシーンが、どれもこれもなかよし川ファンにはたまらないものばかりでした。武田先生に圧倒的感謝!
- 昨年出れなかったコンクールでは全国に行き、Aに入った今年は関西止まりだった希美先輩
- 松本先生離任フラグが僅かに立ってる?
「私たちも他人事じゃないよ。滝先生だっていつかは北宇治から出ていっちゃうし」と口にします。麗奈は「少なくとも来年は居る」と不機嫌そうに反論して久美子が苦笑する場面ですね。
久美子は、滝先生が離任する時の状況や、滝先生のお父さんが離任した当時の状況を想い唇を噛みしめます。
現実的に、産休の欠員で転任したとはいえ、部活動で圧倒的な結果を残した先生を、僅か2年で転出させるとは思えません。ただ、滝先生の前に吹奏楽部の顧問だった梨香子先生が産休から戻ってきた場合、ずっと前から北宇治に居る松本先生の方は転任する可能性は結構あります。3年生編では、松本先生が転出し、梨香子先生が産休から戻ってきて副顧問に就任。滝先生とソリが合わずに問題が表面化して・・・、なんて事が起こる可能性もあるかなぁなんて思ってます。久美子3年生編ではどうなるでしょうか。
- ユーフォやチューバは合奏中暇になる事がたまにある
- つばめちゃん2年生でもB編成、しかも登場シーン無し…
- 葉月もしかして3年生でもA編成入りヤバい…?
去年は全国銅、今年は関西カラ金という事で、来年も優秀な後輩は入ってくるのは間違いありません。もちろん、W鈴木もどんどん技量を上げていくでしょう。果たして葉月は最後のコンクールでA編成入り出来るでしょうか。この辺も大きな見どころになるかなと思います。
- 文化祭や依頼演奏の選曲がツボに来る
ルパンはどのバージョンをやったのか分かりませんが、もしニューサウンズのジャスアレンジだとしたら、低音の皆さん本当にお疲れ様でした。僕はもう吹きたくありません。
スパニッシュ・フィーバーは、多分麗奈の一押しで曲が決まったんだろうなと容易に推察されます。聞いた事が無い方は、ぜひ検索してみて下さい。その意味が分かると思います。
故郷の空 in swingは、自分も昔チューバソロを吹きました。チューバは脇役に徹してこそその魅力が最大化するという、自分なりのチューバ観というか矜持があるので、凄く嫌だった思い出があります。ただ、後藤先輩がこのソロをどういう風に吹くのかは興味ありますww
- 「源ちゃん先生」は、淀工のあの人と精華女子から活水に移ったあの人がモデル
強豪校の先生を退職して、無名だった私立高校に赴任して一気に全国大会まで導くという点は、福岡の精華女子から長崎の活水に移って全国大会に出場した藤重先生の要素も入ってますね。活水は去年・今年と九州カラ金でしたが…。
- 麗奈がドラムメジャーって事は、生徒指揮的な役割もやるのか?
北宇治はマーチングを活動の軸にはしていないので、恐らくはドラムメジャーだけではく、生徒指揮(地域によっては学生指揮と言ったりする)の役割もやるんでしょう。むしろ北宇治は今まで、部長(あるいは副部長)が、合奏の指示もやっていたのが違和感がありました。というか、それでは幹部に負担が掛かるのは当然ですね。優子先輩の代では、人数が少ない分みんなでカバーしようという方針だったみたいですが、それでも加部先輩がマネージャー職に専念してもらっててもなお、幹部の二人は大変そうでしたし。
うちの高校では、部長・副部長・生徒指揮が「幹部3役」として部活運営に当たっていたので、自分の中でふっと腑に落ちた感じがしました。麗奈の指揮、滝先生以上に厳しそう…。
- 久美子も音大に行くのか?
- 関西カラ金の要因が、誰かの怪我や病気や演奏の致命的なミスが原因じゃなくて心底ホッとした
関西大会止まりは、まぁ予想の範囲内ですが、武田先生の事なので、滝先生が当日に急病で倒れたとか、希美先輩が大会直前に交通事故で怪我をしたとか、夏紀先輩が演奏の致命的なミスを犯してしまったとか、あり得るだろうと思ってヒヤヒヤしてたので、一先ずは無事に関西大会を終えてくれて何よりでした。
まぁ、怪我に関しては、立華編の未来先輩の一件があるから可能性は低かったですが。
- 奏と夏紀先輩の関係が微笑ましくてホッとした
"その2”では、特に後半を読んでて自分が強く感じた
「コンクールとは何か」
「コンクールで良い賞を取るという事は何か」
みたいな観点で感想を綴りたいと思います。
この点について語りたい事が山ほどあります。
では、その2に続きます。